Processing Community Day Tokyo 2020に参加しました


Processingの祭典「Processing Community Day」(以下PCD)の日本開催版が東京で行われました。

今年は第二回の開催でした。昨年PCDに気づいた時にはすでに開催が終わっていて「来年は絶対参加するぞ」と思っており、無事に参加できてよかったです。
また、参加だけではなく、トークセッション「日常的にコードを書いて表現する」でお話をする機会もいただいたので、「#つぶやきProcessing」の布教をしてきました。
このような機会をいただいたこと、PCD運営の皆様にはこの場を借りて御礼を申し上げます。

開催内容などは下記のリンク先をご覧ください
Processing Community Day Tokyo 2020

いろいろなセッションに参加したので、以下に感想を述べていきます。

午前の部:キーノート

杉原 聡「Processingによる建築設計 - コンピュテーショナルデザインの実践」

杉原さんによる、Processingとお仕事のお話で、建築設計にProcessingを活用しているということでした。

Adobe Illustratorのファイルフォーマットを出力するプログラムを作って、グラフィックスデザインをやっていたというお話から始まり、相手(の機械)のフォーマットに合わせたデータを作り、直にやりとりする(”お話しをする”と表現されていました)ということをされていたようで、技術力と数学力で課題をばっさばっさ倒していくところは技術者として純粋にすごいなと思いました。

松本 昭彦「音楽とアルゴリズム ~歴史・テクノロジー・アート~」

松本さんによる、アートとは何か、というお話で、音楽の作曲方法をベースに、アートの歴史を語られておりました。

作曲は誰でも出来てしまうので、それを選んでいくのがアートである、という言葉があり衝撃を受けたものです。ボタン一つやマウスのドラッグアンドドロップで無数のアートが出来上がってしまう時代に、人間が苦労してアートを作っていく意味はあるのか、あるとすればそれは何なのか、という問いをかけられているように思いました。

午後の部:プレゼンテーション

永松歩「クリエイティブコーディングを仕事にする フリーランス編 」

松永さんによる、クリエイティブコーディングのお話。

私は、クリエイティブ系のプログラマーさんとは接点がないため「本当に仕事として存在するんだ」ということを知りました。

勉学のため大学院へ行かれた(通称:セルフ島流し)とのことで、 強制的にその環境に身を置くというその決断はすごいなーと感じました。

自作シェーダーのデモがあり、とても綺麗でした。光や影、そしてフォグが入った映像がぐりぐり動くのは気持ち良いものです。

中村 陽菜「 ProcessingとArduinoを用いて、取得された数値を材料に絵画を描く 」

中村さんによる、卒業制作のお話。

環境データとアートをつなぐ試みはすごくいいなと思いました。後の工藤さんの作品にも言えますが、デジタルアートとインタラクティブ性は相性が良いので、どうやってユーザーとアートをつなげるか、というところが面白いところだと考えています。

作品には手のひらを置くようなものがありましたが、手の形にくりぬかれていた台になっていたのがすごくいいなと思いました。こんな物が展示物として置かれていたら、絶対に手を置きたくなってしまいます。

安田 直樹「プログラミング初学者向けの,p5.jsを用いた弾幕プログラミングのすすめ」

安田さんによる、弾幕とプログラミングのお話。なんと@WGG_SHさんではないですか。新卒一年目というのでびっくり。(最近の若い人のデジタルスキルが高すぎて恐れ多い。。)

私も昔にゲームを作っていたころ、弾幕に惹かれてグラフィックスをやり始めたので、おすすめポイントにはすごく納得できました。弾幕ライブコーディング見たかったなぁ。

…と思ってたらライブコーディングの内容をツイートしていただきました!

発表資料は下記に公開されています。
PCD Tokyo 2020 LT

Taito Otani「p5.jsでサウンドデザインツールのビジュアルを拡張する」

大谷さんによるp5.js愛のお話。サウンドとの接続をいろいろと工夫されているお話でした。

MAXの画面が出ていて、鍵盤のアイコンが見えたので、そこで入出力をつないでいるのかなと思いました。MAXは名前だけ聞いたことがあったのですが、実物を見たの初めてです。

p5.jsがグラフィックスだけではなく、サウンドにも応用できるんだなということが分かりました。

@moxus「Kusabiというwebglベースのクリエイティブコーディングのためのソフトウエアを開発していることについて」

moxusさんによる自作ソフトウェアのお話。

エディターのつくりが良いなと思いました。上半分がコード、下半分がログなのですが、実行結果が背景に出ていて、結果を大きく表示できるのが良いなーと。

ライブコーディング風にその場でトーラスにノイズテクスチャを貼ったり、座標の変更っぽい機能をつけ足したりしていてあっという間に3Dオブジェクトを生成されていたのが印象に残っています。

工藤麻祐子「障子に穴をあけてもいいよ」

工藤さんによる作成した作品のお話。タイトルがすごく気になる。

障子の穴あけを作品にされたとのことで、目の前のテンキーを押すと、奥の障子に(投影された映像によって)指で穴をあけれるというもの。

障子にプロジェクターを投影するってすごいアイディアだなと思いました。いわれてみればスクリーンとしてきちんと機能することが分かるけど、思いつかないものです。テンキーのアイディアも同じくいいなと思いました。作品のためにわざわざデバイスを作らなくてもいいし、障子のマス目にもぴったり合いますし。

先の中村さんの作品でもそうですが、パッと見たときに、いかに一瞬でユーザーに触ってもらえるようにするかが大事だなと感じました。障子に何か投影されていて、意味ありげにテンキーが置いてあったら触りたくなってしまいます。

はぅ君 / nasana / Almina / 高尾俊介「日常的にコードを書いて表現する」

トークセッション。司会の高尾先生nasanaさん、Alminaさんとともにおしゃべりしてきました。

nasanaさんは目標を持たれてクリエイティブコーディングをされているとのことで、すごいなぁと思いました。(私は趣味と思いつきなので)
あとスキルの考え方が面白かったです。
発表内容はnoteに公開されておりますので、詳細はそちらもご覧ください。
日常的にコードを書いて表現する。PCD2020 talk session

Alminaさんはクリエイティブコーディングをもっと普通のことにしたいとのことだったので、すごく共感しました。カラオケやスマブラと同じレイヤーに「みんなでコーディング」があってもいいと思うんですよね。カラオケで歌がうまくなくても、好きな歌を歌って楽しむし、スマブラで操作が分からない人でも自分なりに技を覚えて楽しむように、コーディングが分からなくても、最低限の関数を覚えてProcessingなどでちょっとした作品を作るのは面白いと思うのですよ。

私の発表ですが、仕事とは全く関係なく趣味で「#つぶやきProcessing」をやっているので、その紹介をしながら「とにかくProcessingを立ち上げて」「いい感じになったらTwitterで公開して」「フィードバックを得てモチベーションUpして」「気に入った作品は深堀して作品にする」というお話をしてきました。

そしてこのプロセスを高速に回せるツールとして「つぶやきProcessingはいいぞ」という布教をさせていただきました。

何名かの方には興味を持っていただいたようなので、つぶやきProcessingへの参加者がさらに増えると嬉しいものです。

ニイノミ「NEORT1周年の振り返りとこれからの話」

ニイノミさんによるNEORTのお話。

私がNEORTを知ったのはFabCafeでの展示でしたが、その時にクリエイターを支援するプラットフォームとして素晴らしいプロジェクトだなと思いました。それはNEORTには作品販売機能がついているからです。

デジタルアートのプラットフォームは(といってもOpenProcessingぐらいしか知らないのですが…)ソース公開して無料なもの、というイメージがあったので、アーティストに還元される仕組みがあることはすごいことだと思います。なんだかんだ言って、生きていくのにお金は必要ですからね。

HAUS / 田所淳 / Shihpin the Livecoder 「ライブコーディング」

お三方によるライブコーディング。ライブコーディングを見るのは初めてです。

最初のHAUSさん(グループ?)は、チャットを使たライブコーディングでした。音声波形の命令(?)をチャットで送ると、それが再生されるというもの。

電子音っぽいリズムが流れているなーと眺めていたのですが、そんな中、突如画面に現れる謎のQRコード。そのQRコードをiPhoneで読み取ると「Enter Name」との文字が。このライブコーディングはなんと、ここにいるみんなが参加できるというものでした

みんなが音声波形を思い思いに打ち込み(そしてほとんどはうまく機能せず)会場は雑音であふれるカオスな状態に。時折流れるチャットで自然と生まれるコミュニケーション。誰かの「言語仕様はよ」という発言で会場が笑いに包まれる。これは楽しい。またやりたい。

続いて田所先生によるSuperColliderのライブコーディング。うわさは聞いていたのですが、やっぱりすごい。SuperColliderはわからないのですが、多分その場の空気や雰囲気などに合わせてパラメータや命令を入れて音に反映しているんだと思います。その作成がすごく自然すぎてすごいと感じました。

ちなみに、画面横に音に合わせたきれいな絵が出ていたので何かなと思い、後で聞いてみたらシェーダを切り替えて表現しているとのことでした。

最後はShihpin the Livecoderさんのライブコーディング。 その場で音声をくみ上げていくタイプのようでした。設営の関係でライブコーディングしている風景を移すというものでしたが、逆にライブコーダーの手元が見えるという貴重なライブコーディングでありました。

ライブコーディングはグラフィックスをその場で作るもの、という先入観があったのですが、音という表現方法もあることを知れたのが良い経験でした。

お悩み相談会

最後はお悩み相談会。事前に集まったお悩みに関してみんなでディスカッションするというものでした。

ディスカッション結果はPCD2020運営からドキュメントが出るのとのことなので楽しみに待ちましょう。

Processing関連のイベントがそもそも少ないと思っているので、もっと増えてほしいな。(他力本願)

感想

普段Twitterぐらいでしか関りがない人と、リアルにあって情報交換できるというのは、こういうイベントの良い点ですね。

会場では「つぶやきProcessing」が一般用語として普通に使われていることに感動しました。自分が作ったものを、他の人が使っているのを見ると嬉しいんですよね。あと、とある小学校の先生から「 授業でProcessingを使っているが、つぶやきProcessingのはぅ君さんの作品はすごく人気ですよ」と教えていただき感激でした。そんな層にも見ていただいているとは!

アイコンがあれば「Twitterで見たことあるぞ」と認識してもらえるかなと思いアイコンバッチを作っていきました。

かねてより「●●といったらこの人」みたいな称号を得るのが一つの夢だったのですが、トークセッションでお話させていただいたり、出会った人に「つぶやきProcessingいつも見てます」と言っていただけたりしたので、「つぶやきProcessingといったらはぅ君」という称号は得られたのかなぁと感じます。夢を一つ達成できたようです。やったぁ!

会場でいろいろとお話しいただいた方、本当にありがとうございました!またどこかでお会いしたらよろしくお願いいたします。

おまけ

会場で頂いた質問と回答。

つぶやきProcessingでは、毎日どれくらいコーディングしているんですか?

1時間程度です。仕事から帰ってきてご飯を食べた後に書いてます。長引くと睡眠時間に影響が出てしまうのでそのくらいで終えるようにしています。

ただ、つぶやきProcessingは文字数制限があるので、はまったときは時間延長して寝れなくなります。

日々コーディングしていく中で、その先はどのような目標があるのですか?

趣味なので、何かきちんと目標があるわけではないのですが、つぶやきProcessingの活動を続けて広がっていく中で、いつかシフマン大先生の#つぶやきProcessing投稿を見るのが夢です。

HIEDAさんにアプローチいただきました。ありがとうございます!
どきどきわくわく

毎日のコーディングの情熱はどこからくるのですか?

趣味なので、作るのが楽しい、というのがベースです。思ってもみない表現が出来上がることに感動したり、考えてみた動きがどうなるか見てみたいといった知的好奇心も影響しています。

つぶやきProcessingのコードの短縮化はどうやっているのですか?

手動です。まず普通に書いてみて、文字があふれてしまったら、スペースや改行を削ったり、数式を見直したりしてちょっとずつ短縮しています。

Processingにはどこで出会ったんですか?

大学です。もともとはVB6とDirectXでゲームやグラフィックスを作っていたのですが、それを見ていた友人から、もっと簡単なものがあるよと教えてもらったのが出会いでした。

プログラミングはどこで学んだんですか?

Excel VBAです。小学生の頃、オセロ盤やトランプやサイコロでアナログゲームを作っていたのですが、物好きな父がWindows95のPCを買ってきたので、面白いゲームはないかなとスタートメニューにあったソフトを全部起動していた時にExcelに出会い、アナログゲームのデータの記録に使っていました。その後、操作の記録でマクロに出会い、VBAに繋がりました。

つぶやきProcessingで一番反響が大きかった作品はどれですか?

昨年末に作った、トンネルの作品です。

はぅ君さんはハムスターかと思っていました。

すみません、人間です。


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