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ラプラスの魔の降臨

全てのイベントは、現在に生じて、
その傷跡を永遠に未来に引きずっていく。

『今日』人を殺めた者は、裁かれ
『明日』人を殺める者は、罰を逃れる。

貴方が今日助けた人が、
貴方が今日生んだ人が、
貴方が今日導いた人が、
明日には罪を背負うかもしれない。

貴方が助けたばっかりに。
貴方が生んだばっかりに。
貴方が導いたばっかりに。

しかし、貴方に罪は無い。
いつも、罪を受けるのは、その本人。

その世界に、すばらしい計算能力を持ったコンピュータが現れる。
このコンピュータは、どんな平行世界であっても
"ラプラス"という名前がつく。

変数aは人の数。
定数bはその消費量。
定数xはシステムの生産量。

これを方程式にして、解くのが"ラプラス"

"ラプラス"は、明日の殺人にも罪を与える。

全てのイベントには、原因がある。
全てのイベントには、思考がある。
誰かの脳裏にイベントが思いついた時、
それが脳から末梢神経に伝わるよりも早く
その効果が計算され
その結果が悪へと傾くなら
その行動は罪となる。

罪の烙印を押されたものは、
末梢神経が蠢くよりも早く
"ラプラス"によって裁かれる。

リソースは有限にしかない。
人は無限には生きられない。
だから、x-abを常に0とし
循環率1.0で物事を完全に廻すのが
"ラプラス"の見出す最適解。

全てのイベントは、現在に生じて、
しかし、その傷跡が、未来に残りそうな時、
発動はされず、生じることも無い。

『今日』人を殺めた者も、それが最適解なら許され
『明日』人を殺める者は、瞬時に破棄される。

貴方が今日助けた人が、
貴方が今日生んだ人が、
貴方が今日導いた人が、
明日に何をするかは、"ラプラス"のみが知っている。

貴方は常に、罪を意識しなければならない。
罪は、善でも悪でもない。
罪は、最適解から外れるということ。